茂森津軽ネプタ愛好会

祭りに生きる〜子供たちに楽しさを伝えたい〜

茂森津軽ネプタ愛好会
副会長 掛け声担当 笹 篤信

弘前ねぷたまつりの掛け声は「ヤーヤドー」が定番。しかし、茂森津軽ネプタ愛好会の掛け声担当・笹篤信さんはその後に「し―げもりねぷた、い―くぞ、いくぞ」と続け、ねぷたを引く子どもたちを元気づける。
笹さんは、毎年趣向を凝らした仮装でも観衆を沸かせている。派手な唐草模様の衣装や、バカ殿様、クレヨンしんちゃんなどの人気キャラクターの仮装に、沿道からの喝采が送られる。「観衆の皆様が自分のパフォーマンスを指差し笑っているのを見ると最高の気分だ」。笹さんは愉快そうに笑った。
笹さんは20年ほど前から掛け声を担当している。
「うちの会は、みんなで騒いで楽しく、が信条。ただの掛け声じゃつまらないと思って、掛け声を変えたり、衣装にこるようになった」という。
今では仕事の営業先で「今年は何の仮装をするの」と聞かれるほどの有名人だ。
 毎年、まつりが行われる七日間は毎日一時間ほどの運行時間中、一人で掛け声をかけ続けてきた。 腹から声を張り上げるため体の負担も大きく、まつりが終わると十`近く体重が減るという。
「まつりに備えて特に体力づくりはしていないけれど、毎日”消毒”しているから大丈夫」とおちょこをあおる仕草でおどけてみせた。
 笹さんが運行を盛り上げようとするのにはもう一つの理由がある。かつて大勢いた十代の会員が減り、愛好会は後継者不足に悩んでいる。
「子供たちに楽しんでもらって、ねぷたは楽しいよ、もっと来てくれ、と伝えたい」愉快なパフォーマンスとは裏腹に、笹さんの願いは真剣そのものだ。
 「太鼓の響きや笛の音を聞くと血が騒ぐ。黙っていられなくなる。自分はかなりの”もつけ”だと思うよ。」と笑う笹さん。「自分にとってねぷたは、年に一度、燃え尽きる場所。掛け声と一緒に秋になっていくんだ。」組みあがっていくねぷたを見上げながらつぶやいた。

茂森ネプタ囃子はこちらから.pdf
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